
「人と一緒にいると疲れてしまう…」
「人との距離感がうまくつかめない…」
「自分だけが孤立しているように感じる…」
皆さんはこのように感じたことがありませんか?
人との上手なかかわり方は時間をかけて学んでいくものですが、実は生まれ持っての”資質”が邪魔をしてしまっている可能性も考えられます。
もしかしたら、皆さんが感じている「対人関係への不安」は、HSPのような先天的な感覚が影響しているかもしれません。
HSP(Highly Sensitive Perspon)

近年その認知度が上がりつつあるHSP(Highly Sensitive Person ハイリーセンシティブパーソン)というものがあります。
HSPとは、生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人のことで、統計的に5人に1人の割合でHSPであると言われています。
HSPの人たちは、場の空気を深読みしがちで、共感しやすく、影響を受けやすく、五感で感じる全てが過敏なため、非常に疲れやすいと言われています。
さらに、対人関係における自己否定感が強いこともあり、相手を優先しすぎたり、自分を責めすぎる傾向にあります。
そのせいでどうしてもネガティブ思考になってしまい、対人関係に苦手意識を持ってしまうことも少なくありません。
HSP気質の人は少数派であるため、どうしてもその苦しさが他人に理解されにくく、人とうまく付き合えないという葛藤を一人で抱えている方がほとんどです。
対人恐怖

HSPには目に見えるような特徴がなく、そのため他人が気づいて察してくれたり、助けてくれるようなことはほぼ期待できません。
本人でさえ”自分の苦しさの原因が何であるか?”ということに気づいている人はごくわずかです。
「なぜ自分はこんなにも人とうまく付き合えないのか…」
こうした不安を抱きつづけていると自分に自信が持てなくなり、それはいつしか恐怖にも似たような感覚となって対人への苦手意識が芽生えます。
対人恐怖とも呼ばれるように、その苦手意識をいつまでも持ち続けていると、人とかかわること自体が”怖い”という認識へと変わってしまうおそれがあります。
その結果として、人が怖くなり家の外へ出られない引きこもりやうつ症状を引き起こしてしまうのです。
心理士を頼る

人は恐怖を感じると、時に”怒り”の感情をあらわにして身を守ることがあります。
これは特に対人恐怖を抱えた人に多く見られる傾向です。
人が怖いからといって怒って身を守ろうとしていたのでは、周囲の人たちも近寄りがたくなってしまい、自ら孤立した状況を作ってしまいます。
つまり、怒りに身を任せて防衛するという手段はあまり適切な方法ではないということが言えるでしょう。
もしそのような衝動に駆られてしまうのであれば、まずは自分の中にある不安や恐怖といった感情を素直に認め、どう向き合っていくかを考えていく必要があります。
しかし、これは独力でできるような簡単な作業ではありません。
HSP気質を考慮に入れ、自分の感情と向き合って認めていくには、心理士のような心の専門家に相談してみることをおすすめします。
心理士とのカウンセリングや心理査定を行っていくと、恐怖の原因を突き止めることができたり、恐怖に対する身の守り方がわかったりして、他人を攻撃するような心配がなくなります。
さらに、誰にも察してもらえなかったHSPの生きにくさを理解し、その苦しい思いから抜け出すために何が必要なのかも一緒に考えてくれるのです。
実際に、当施設でも自分の生きにくさを心理士に相談したところ、今まで気づかなかったような対処法を教えてもらえたという方がたくさんいらっしゃいます。
対人関係に不安を感じている方は、「もしかしたらHSP気質かも?」という可能性も視野に入れ、まずは心理士に相談してみてはいかがでしょうか。
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