
前回の記事でご紹介した「心理的視野の狭窄(きょうさく)」について、現役アスリート(競技者)の皆さんに向けてさらに詳しく説明してみたいと思います。
アスリートには、より実践的で、最高のパフォーマンスを引き出すための技術が要求されるため、マインドフルネスなどを筆頭にプロスポーツ選手も様々なメンタルトレーニングを取り入れていることは有名です。
心理的視野の狭窄

心理的視野の狭窄とは、ストレスなどが原因で心と体の視野が狭くなっている状態のことを言います。
心の視野とは「偏った考えしかできなくなったり、考え方の視野が狭くなること」を指し、身体の視野とは「実際に目で見える範囲(視覚的視野)が狭くなること」を指します。
これらを心理学的思考において、"過去"、"現在"、"未来"に置き換えてみます。
すると、以下のような例えで説明ができます。
まず、何事もうまくいっていないような時、頭の中に浮かんでいる考えは次のようなものです。
- これではうまくいかなかった(過去)
- こうしてもできなかった(過去)
- これをやればうまくいくだろうか(未来)
- 失敗してしまったらどうしようか(未来)
このように、頭の中では常に「過去」と「未来」についての考えが飛び交い、ストレスを感じているような状態です。
これが乖離と言われる状態で、ネガティブな感情の根源となってパフォーマンスの低下に結びつきます。
問題は、意識が「現在」にないことにあります。
意識を「現在」に呼び戻す(向け直す)ためには、まず、今自分の意識が「過去」と「未来」のどちらに向いているのかに注意する必要があります。
そうすることによって「現在」に意識を向けることができた時に初めて頭の中と体が一致して、本来の”楽しむ”という感覚を味わい、それによる幸福感や達成感が得られるのです。
意識を現在に呼び戻す

人間の頭の中には色々なものが飛び交っています。
現在、過去、未来といった概念があるのは人間に特有のもので、頭の中では常にそのいずれかについて考えているとされています。
自分の意識を現在に向けるというスキルは、やはりコミュニケーションの場(人間関係)においても様々な場面で役に立つものです。
スポーツにおけるチームの意思疎通や、相手との心理戦においても重要な役割と果してくれることでしょう。
私どもはこのようなスキルを身につけるためのノウハウを皆さんにご提供しています。
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